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【ハイエース】アルファード超え!?極上の乗り心地を作る(初心者向け)

トヨタ ハイエースバン スーパーGL 2WD 2000ガソリン 標準ボディ

数多くのラインナップを持つ200系ハイエースシリーズの中で、筆者が個人売買で購入したグレード・仕様がこれになります。

スーパーGLというグレードは、乗用車のような(安価なクルマにばかり乗ってきた筆者には ”高級車” と感じる程の)内装を備えています。

それゆえ、本来の商用車として使う以外に、乗用車として乗るユーザーも多くいるんですね。

しかしあくまでも足回りは商用バンなため、硬い乗り心地が問題となることがしばしば。

みなさんこんにちは! しおかぜHobby のお時間です。

筆者が購入した個体はそれを改善すべく足回りの主要パーツが交換されていました。

しかしそのセッティングが滅茶苦茶だったため、最悪の状態からのスタートでした。。

今回は、筆者が試行錯誤を繰り返しながら改善していった経験をもとに、

初心者の方がセッティングの迷宮に迷い込むことがないよう、

最短で最適なセッティングに辿り着く方法を紹介します。

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(まるで船のような乗り心地)

(フワフワしてる)

(酔いそう)

(腰砕け)

(あ、これはあれじゃん。アメ車、そう、古いアメ車に似てる。乗ったこと無いけど。)

数年前にADバンで車中泊に目覚め、個人売買により購入したハイエースに初めて乗った時の感想がこれ。

憧れ続けてやっと手にしたクルマだったのに、第一印象は最悪。

一般的には「硬すぎる」となるはずが、筆者の場合はその逆。

「柔らかすぎ」なアシに興ざめ。正直、ガッカリした。

交換済み部品

前オーナーによる交換箇所は次の通り。

  1. 減衰力調整式ショックアブソーバー
  2. フロントサスペンション(トーションバー)
  3. リアサスペンション(リーフスプリング)

①減衰力調整式ショックアブソーバー

RANCHO製(Made in USA)減衰力調整式(F:9段、R:9段)

②フロントサスペンション(トーションバー)

詳細は不明。おそらく純正よりバネレートの低い、柔らかめのもの

③リアサスペンション(リーフスプリング)

某有名メーカー製。ヘルパーリーフ(ノーマルリーフにある高荷重に耐えるための板)が無く、柔らかめのもの

購入時のセッティング

トーションバーとリーフスプリングが柔らかめのものに交換されているうえに、ショックアブソーバーも最も柔らかい前後とも「1」設定となっていた。

前回の記事にも書いたが、それはまるで船のような乗り心地、そう、ちょうど古いアメ車に乗っているようであった。

低速で(ある程度路面の良い道を)直進するぶんには、確かに路面のギャップをほとんど拾わず、ショックは少ない。まあ、 “乗り心地が良い” と言えるのだろう。(私の好みではないが)

しかし大きなギャップがあれば、その柔らかさ故、まずストローク量の限界までフルボトムし、跳ね返った動きで大きく伸び、また縮む。そし伸び、縮み、伸び、縮み、伸び・・・と続くうちに次のギャップを拾い、またそれを繰り返す。

つまりショックアブソーバーがその役割を果たしておらず(減衰力が足りてない)、上下動が収まらないまま走っているのである。

“フワフワしていて、足が地に付かない感覚“ と言えばおわかりいただけるだろうか。

これが60km/hを超えてくると、状況はさらに悪化。不安定さが際立ち、真っ直ぐ走ることに集中力が必要になってくる。

これで高速道路を走る事なんて、出来ていたのだろうか?考えるだけで恐ろしい。

カーブに差し掛かると、さらに悲惨な状況となる。そのままのスピードで進入することなんて、とても出来ない。

しっかりスピードを落として進入するも、まずはブレーキングにより大きくノーズダイブしてフロントが沈み込む。

そこからハンドルを切り込むと、腰砕けな動きにより大きくロールし、それにつられて体も外側に振られる。

昔から “高床高重心ミニバン” で腕を磨いてきた筆者は運転、特に荷重移動には自信がある方だが、そのテクニックをいくら駆使しても乗り心地は悪い。

いや、最悪だ。疑う余地もない。

さらに信号待ちからのスタート時も、柔らかすぎるリアサスペンションが一旦沈み込んだ後に、やっと動き出すため、ワンテンポ遅れることにストレスを感じる。

また、この無駄な動きが元々悪い燃費をさらに悪くすることに一役買っていることは容易に想像がついた。

走る・曲がる・止まるの全てにおいて、「鈍重(どんじゅう)」という言葉がピッタリ当てはまっていたのである。

(なんじゃ、こりゃ。よくこんな状態で乗ってたな!)

率直な感想である。

クルマに興味が無い、もしくはよくわかっていない人がセッティングするとこうなるのだろうか?

おそらく「柔らかくしたい」の一心でセッティングした結果なのだろうが、酷すぎると言わざるを得ない。

これを良しとしていた先輩も、実際に施工したであろうN自動車もどうかしている。

ここまでの「酷評」となる理由はこちらの記事に。

リーフスプリングの写真
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試行錯誤

ショックアブソーバーの減衰力調整ツマミの写真
ショックアブソーバーの減衰力調整ツマミ(赤色)

さてどうするか。

とりあえずショックアブソーバーの減衰力調整を行ってみよう。

とにかく柔らかすぎるのが問題だ。硬めのセッティングに変えてみる。

ショックを硬くすることで、足回りをシャキッと、特にひどいロールを抑える作戦だ。

まず50%まで硬くしてみる。

確かにしっかりしてきた。でもロールを抑えるには至らない。

75%にしてみる。

まだまだ不足してはいるが、ある程度ロールを抑えられてきた。しかしその反面、かなり道路のゴツゴツを拾うようになってしまった。

目一杯硬くしたらどうなるのか?

ますます道路のゴツゴツが強くなった上に、大きなギャップではショックが突っ張ってしまい、せっかくの柔らかいバネの動きを阻害している感じがする。つまり、突き上げられるカタチで跳ねてしまうのである。

これではとても走れない。

結局75%に戻してしばらく乗っていたが、とても満足できるレベルではない。

どうしたものか。。。

サスペンションは、しなやかに動いて欲しい。でもロールは抑えたい。

そんなワガママを実現するためには、ロールを抑えるための専用部品を投入する必要がある。

それがスタビライザーである。



スタビライザー

スタビライザーの写真
スタビライザー(青色のパーツ)

スタビライザーとは、金属製のパイプがコの字型やUの字型に曲げられたもので、左右のサスペンションアームをつなぐように取り付けられる部品のことである。

左右のサスペンションが別々の動き、例えばカーブを曲がる(外側は縮み、内側は伸びる)時、このスタビライザーをひねる方向に力が働く。

するとスタビライザーが元に戻ろうとする動きにより、左右のサスペンションの動き(外側は縮み、内側は伸びる)の差を小さくできる。つまり、カーブを曲がる際のロール量を少なくできるという寸法だ。

「そうか、スタビライザーを取り付ければ良いんだね!早速買って取り付けよう!!」

いや、ちょっと待って欲しい。元々ハイエースには、純正スタビライザーが装備されているのである。

「え!?だったらなんでそんなにロールするのさ!?」

そう思うのも無理はない。ノーマル状態であれば、その効果はあったと思われる。(私はノーマルハイエースバンに乗ったことが無いのでわからないが)

ちなみにスーパーロング(ワゴン)を運転した際には、ロールはあまり気にならなかったのだが。

なら何故、その効果が無くなって(少なくなって)しまっているのか?

その原因は、ズバリ、ローダウンにある。

スタビライザーリンク

スタビライザーは、スタビライザーリンク(以下、スタビリンク)と呼ばれる部品を介してサスペンションアームとつながっている。

そしてこのスタビリンクの長さは、ノーマル車高時にスタビライザーが最適な角度となるよう設計されている。

しかしローダウンをすることで、その角度が変化(車体の下がりと一緒にスタビライザー端部も下がるべきところ、純正スタビリンクの長さは変わらないため結果、上方に突き上げられる形となってしまう)するため、スタビライザー本来の性能を発揮できなくなってしまっているのである。

つまり、このスタビリンクを適正な長さ(=短い)ものに交換してやることで、その突き上げを無くし、スタビライザーを最適な角度に戻すことで、またその性能をフルに発揮させることができるようになるわけだ。

そうとわかれば、早速スタビリンクの交換準備に入ろう。

(いや、待てよ。これだけで本当に満足するレベルまで改善されるだろうか?)

一抹の不安がよぎる。

前述の通り、私はノーマルハイエースバンに乗ったことが無い。つまり純正スタビライザーの効果を知らないのだ。

(せっかく交換したのに、イマイチでした。では、その労力と時間がもったいない。)

今回は自分で交換するつもりだ。苦労は一度でいい。それで最大の効果が欲しい。

(よし、強化スタビライザーを入れよう!)

部品購入

玄武製スタビリンクの写真
CUSCO製スタビライザー(青色)とつながる、玄武製スタビリンク
  1. 強化スタビライザー(CUSCO)
  2. スタビライザーリンク(玄武)
  3. スタビライザー用ゴムブッシュ(トヨタ純正)

①強化スタビライザー(CUSCO)

スタビライザーやストラットタワーバーなどのパーツにおいて、私たち おっさん世代が真っ先に思い浮かべるメーカー、それが「CUSCO」である。

”信頼と実績の老舗メーカー” だと思っている。逆に言うと、新しいメーカーを知らないだけの話なのだが。。

調べてみると、ちゃんとありましたよハイエース(TRH200V)用スタビライザー。

外径は純正と同じ30Φでありながら、

純正の中空(パイプ構造)に対して中実(中までギッシリ)とすることでノーマル比143%の剛性を誇る、まさに強化スタビライザーである。

そしてカラーリングは鮮やかな青、クスコブルー(と呼ぶかは定かではないが)。

(やっぱかっこいい!男は黙って “CUSCO” っしょ)

と独りつぶやきながら、楽天でポチっと購入。


②スタビライザーリンク(玄武)

続いてスタビリンクだが、CUSCOにはラインナップされていない様子。

さて、どうする?

ネットで調べてみると、出るわ出るわ「玄武」の文字。ハイエースのアフターパーツ市場では相当幅を利かせているメーカーのようだ。

(初めて聞いたメーカーだな。信頼できるのだろうか?)

”アンチ流行りもの” な、おっさんの目は厳しい。しっかり吟味しないと気が済まない生き物である。

(若いもんは騙せても、年季の入った私の目はごまかせんぞ。なんせ経験が違う。)

などとほざきながら、商品説明や口コミをじっくりと読み込む。

しばらくして、その結論が出たようだ。

(うん、すっごく良さそう!! 高いけど。)

チョロいもんである。”アンチ流行りもの” な、おっさんは、もう玄武の虜になっていた。

こちらも楽天でアジャスタブルスタビリンク[ロング]をポチっと購入。

アジャスタブルスタビリンクにはロング(対応車高:1.5~2.5インチダウン)とショート(対応車高:2.5~4.0インチダウン)があるのだが、私のハイエースのローダウン量は何インチかはよくわからないが少なめのため、ロングで良いだろうという判断による。

なおこのアジャスタブルスタビリンクには、強化ブッシュがセットになっている。


③スタビライザー用ゴムブッシュ(トヨタ純正)

あとはスタビライザー取り付け部のブッシュも新品を用意しておいた方が良いだろう。新車時からすでに9年が経過したゴムブッシュは劣化している可能性が高い。

本当は社外品の強化ブッシュが欲しいところだったが、すでに予算オーバーしていたため、比較的安価な純正品にせざるを得なかった。

少しでもコストダウンしなければ、しおかぜ家の大蔵大臣(昭和生まれなので財務大臣になれない 笑)、よめかぜのご機嫌が斜める可能性が高まってしまうためである。トヨタ共販へ駆け込んだ。

取り付け

親友Y君の青空ガレージに持ち込み、いざ取り付け。完全ボルトオンでの交換が可能だった。部品精度も全く問題なし。

(やっぱり一流メーカーにして良かったな。高かったけど。)

なお具体的な取り付け方法については、諸先輩方の記事および動画にお任せする。

そして早速走ってみると強化スタビライザーの効果は絶大で、見事なまでにロールは抑えられ、普通車と遜色ないコーナーリングをこなせるまでになっていた。

なお「リアスタビライザー」なるものも存在しているが、筆者は特に必要性を感じなかった。積載量が少ないためかもしれないが、フロントよりも高コストなことも含めて「不要」の結論となった。



セッティング

ここからが本記事の核心部となる。

初心者向けに、ハイエースの足回りセッティングの方法を解説しよう。

小難しい理屈は抜きに、あくまでも簡単に。だ。

積載量を決める

まず、普段最もよく使う積載量の状態としておく。

これは足回りのセッティングを決める際に最も重要な作業と言える。

積み荷をどれだけ、どのように積んでいるかによってクルマの動きは全く違ったものになるものである。特にハイエースのように多くの荷物が積めるタイプのクルマでは尚更その影響が強く出るためだ。

例えば筆者であればベッドキットと、常時積んでいるわずかな車中泊道具だけとなり、比較的軽い状態を常としている。

この ”いつもの状態” でショックアブソーバーの調整を行っていくのだ。

フロント

積載量が決まったら、まずは乗り心地として最も大事な運転席と助手席があるフロントから調整を行おう。

ハイエースのようなキャブオーバータイプのクルマは、その形状により前輪の上に座ることになる。

つまり、フロント足回りのセッティングが乗り心地としてダイレクトに伝わるのである。

ある程度柔らかくないと、ゴツゴツした乗り味になる。かと言って柔らかすぎると前述の船のような乗り心地となってしまう。

では、どこを基準にセッティングすれば良いのか?

それはズバリ・・・

「大きなギャップを拾った時に、一往復で動揺が収まる最も柔らかいポイント」

いろいろな硬さを試した結果、筆者がたどり着いた結論である。

これが柔らかすぎず、硬すぎない絶妙な乗り味を実現できるポイントだ。

リア

リアの足回りの写真
リアの足回り

リアセクションは、筆者の積載量では跳ねる傾向にあった。

段差を上がる時、ベッドキットが文字通り ”跳ねる” のでよくわかる。

某有名メーカー製のリーフスプリングに換えていても、だ。

これを防ぐために柔らかくしていくのだが、やりすぎると前述の通り ”スタート時のリア下がり” が大きくなる。

ちなみにハイエースでは(運転しているぶんにはリアタイヤからの距離があるため)リアの硬さは乗り心地にあまり影響しない。

では、どこを基準にセッティングするのか?

それはズバリ・・・

「スタート時のリア下がりが気にならない程度の、最も柔らかいポイント」

ここに照準を合わせると良い。

跳ねは抑えつつ、鈍重さを生み出すスタート時のリア下がりも少ないポイント。つまりスタート時にワンテンポ遅れずにしっかり前に進むポイント。これが筆者が導き出した答えだ。



まとめ

ハイエースのアシの決め方
  1. 柔らかめのリーフスプリング・減衰力調整式ショックアブソーバーに交換
  2. フロント「大きなギャップを拾った時に、一往復で動揺が収まる最も柔らかいポイント」に調整
  3. リア「スタート時のリア下がりが気にならない程度の、最も柔らかいポイント」に調整
  4. 車高が変わった場合のみ、スタビライザーリンクを長さ調整式に交換
さらにロールを抑えたい場合は?
  • 強化スタビライザーに交換

これが ”最短で最適なセッティングに辿り着く方法” になります。

フロントのトーションバー交換は、オプション的な位置づけで良いでしょう。

結果的に、筆者のハイエースは、アルファードには負けるものの購入時とは比べ物にならない、しなやかながらもコシのある乗り心地を手に入れることが出来ました。

このセッティングに加えて(1996年頃に三菱ミラージュサイボーグに標準装備されていたと思われる)レカロシートを介した乗り味には大満足しています。

そう、それはちょうど欧州車のような乗り心地。乗ったこと無いけど(笑)

アルファードにも乗ったこと無いけど!(爆)

最後に、リーフスプリングを交換する際には、構造変更が必要です。ご注意ください!

リーフスプリングの写真
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今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

また次回の記事でお会いしましょう!